日本の食文化・母の味


みそ汁


 数多い家庭料理の中でも、真に「おふくろの味」と言われるものは、日本人の食卓で白いご飯と一緒に出される副食メニュー、みそ汁をおいて他にないでしょう。みその味は赤、白、麹など地域性があり、しかも入れる具材やダシは好みでさまざま。こうした独自性が家庭の味となり、一人ひとりの舌の記憶となっています。

 起源は日本の室町時代ともいわれています。みその原料である大豆にはたんぱく質があり、しかも塩辛さが労働で疲れた体にはぴったり。作り方は簡単で、煮干やカツオブシなどでダシを取り、細かく切った季節の具材を煮立て、最後に味噌を入れるだけ。具材としては、ネギ、ダイコン、青菜、シイタケなど旬の野菜、山菜は何でも。さらに豆腐、油揚げ、納豆などの加工食品、ワカメ、アオノリ、アサリ、シジミの魚介類を入れれば、別の風味を感じさせてくれます。

 もっと工夫して、タラなどの魚、豚肉と複数の野菜などを入れれば、タラ汁、豚汁などという別の名称となり、もはや副食でなく立派なメーンディッシュと変わります。


夏/ソーメン・冷やし中華・うなぎの蒲焼


(AFLO)

 家庭料理の代名詞とも言われるのが肉じゃが。大手ポータルサイトgooの「好きなおふくろの味ランキング」では1位を獲得しています。じゃがいもを使う代表的な料理で、まさに「母の味」を感じさせる一品。お肉とじゃがいも、玉ねぎ、にんじんを甘辛く炒め煮した風味は、おかずとして白いご飯にぴったりです。

 肉じゃがは各家庭によって具材や作り方が多少違います。牛肉を使う家庭もあれば豚肉を使う家庭もあります。しらたき、さやいんげんを加えて、彩り良く仕上げる人もいます。

 作り方はそれほど難しくありません。最初に薄切りの牛肉を油で炒めます。肉に火が通ったら、切ったじゃがいも、玉ねぎ、にんじんを加えて炒めます。油が全体にまわったら砂糖、醤油、みりん、ダシを加えて10~15分ほどコトコト煮て出来上がり。

 ひと晩寝かせると、じゃがいもに味がさらにしみこみ、美味しさが倍増します。女の子が「得意料理は肉じゃが」と言えれば、男の子にもてることは間違いありません。

夏/ソーメン・冷やし中華・うなぎの蒲焼


 ふんわりジューシーな卵焼きが、子どものころから大好きな人は多いです。お弁当や朝食のおかずとして定番の卵焼きは、一般家庭で欠くことができない料理。あたたかくても、さめてもおいしく食べられます。

 卵焼きは普通、薄い層が重なって厚くなっていますが、これがおいしい食感の理由。溶いた卵をフライパンに少しずつ流し込み、半熟に焼いては折り込んで端のほうに寄せます。空いた部分にまた卵を流し込んで焼いて、前に焼いたものをくるりと巻きこむ。これを再度繰り返すとぶ厚い卵焼きとなります。きれいな形に仕上げるのは難しいですが、四角いフライパンだと作りやすいです。

 溶いた卵に、砂糖、だし、塩、しょうゆなどを入れて味をつけます。甘めにしたいか、しょっぱめにしたいかは入れる分量をかえればいいのです。好みによって、のり、ベーコン、ネギ、鮭フレークなどお好みの具材を入れて巻くことも。具材入りの卵焼きはまた別の食感が味わえます。お皿に大根おろしを添えるとさっぱり感も出ます。

 卵焼きは、味つけや具材の組み合わせなど、好みに合せて多様に作れるので、みんなが自分好みに作り変え、なつかしい味になるのです。



next