日本の食文化・季節の味


春・ちらし寿司・初ガツオ


 3月3日は桃の節句、女の子の健やかな成長を祈るひな祭りの日。家の中に赤い布に覆われた飾り棚をしつらえ、その上に雛人形を飾り、家族全員で白酒、雛あられ、特別料理を食します。そのひな祭り料理の中では、やはりちらしずしがもっともポピュラーでしょう。

 ちらしずしの作り方はそれほど難しくありません。炊き上がった白飯に酢や砂糖などを入れてかきまぜ、さらにタマゴ焼き、エビ、イクラ、キュウリ、サヤエンドウなどを上に載せる。刺身をふんだんに使ったすし屋さんのちらしに比べて安上がりですね。

(AFLO)

 黒潮に乗って日本列島を北上するかつおは、初夏5月ごろの風物詩。江戸時代、「女房を質に入れても(どんな犠牲を払っても)食いたい魚」と言われたように、庶民には高嶺の花でしたが、それだけにのどから手が出るほど味わいたい旬の食材だったのでしょう。

 カツオは腐りやすいので、表面をあぶってタタキにし、これに生姜、ネギ、青じそ、下ろしニンニクなどを絡ませて一緒に食べるのが一般的。たんぱく質、ビタミン、ミネラルなど栄養豊富なのも、人気の理由です。


夏/ソーメン・冷やし中華・うなぎの蒲焼


 暑い盛りの日々は夏祭りのシーズンです。神社の広場などに高い櫓を立て、その台の上でお囃子が演奏され、民謡の歌声も。その下では、浴衣姿の老若男女が輪になって踊る。踊り場の周りには、金魚すくいや焼きそば、綿アメ売りの屋台が出て、にぎやかに彩りを添えています。

 こんな時期に喜ばれる食べ物は、小麦粉をよく練り、手で細く伸ばして作るソーメン。氷塊で冷たくした麺を薬味のネギ、ミョウガ、ゴマなどと一緒に、薄醤油味の汁につけて食べると、暑さで食が進まないときでも絶品の主食となります。

 同じく、涼しさを追求した料理が冷やし中華。ゆでた中華麺を冷やし、その上に細く切ったキュウリ、ハム、タマゴ焼き、トマトなどを載せ、中華風の酢、薄醤油、ゴマ味のたれを絡ませて食べます。暑い時には日本人にもっとも好まれる食材と言えましょう。

 毎年、7月下旬などにある十二支上の「土用の丑の日」にうなぎを食するのも欠かせない日本人の習慣です。江戸時代の発明家、平賀源内が始めたといわれています。暑さで夏バテした時に、ビタミンBが豊富なうなぎを食べて体力を回復するのもいいことですね。

 うなぎと言えば蒲焼。火であぶったうなぎを甘い醤油のタレでまぶし、それをご飯の上に載せて食べます。うなぎの肝水も併せて食すれば、満腹感は十分感じられます。



next