china report
秋9月、新学年がスタート

9月に入り、中国の新学年が始まりました。各地の小中学校や高校では、一般的に9月1日に始業式が行われます。
中国の首都・北京市の東南部に住んでいる私ですが、静かな住宅街にある地元の中学校(中学・高校併設)ではこの日、真新しいそろいの青いトレーニングウエアを着た生徒たちが元気よく登校していました。
夏休みののんびりムードに終止符を打ち、気持ちをキリリと引き締めて、新しい学年も精一杯がんばろう――。そんな意気込みが伝わってくるかのような、晴れがましい顔立ちが見られました。

始業式を前にして、市内の小中学校や高校で、厳しい体温チェックが行われたのも今年の大きな特徴です。新型インフルエンザ(H1N1型)の流行を阻止するためです。一部の学校では、始業式のその日にインフルエンザ予防のための漢方薬のセットが配られたほどでした。スイカズラやハッカといった漢方薬剤が調合されていて、これを煎(せん)じて毎日飲むと、免疫力を高め、ウイルスの感染を予防する効能があるのだそうです。
中国でも、新型インフルエンザの秋からの流行拡大が懸念されています。この漢方薬セットの効果のほどは明らかではありませんが、それぞれが予防意識を高めて、規則正しい生活を送ろうといった注意をうながす意味でも、期待されているのかもしれません。

中国の学校教育は、基本的に日本と同じ9年制の義務教育(初等・中等教育=小中学校)と、3年制の中等教育(高校)、そして高等教育(大学や専門学校など)からなります。統計によると、中国の高校への進学率は2008年に74%、大学進学率は同年に23%に達したそうです。日本の高校進学率が現在90%超、大学進学率が47%超(07年)であるのに比べればいささか少ない値ですが、これも広い中国にあまねく高度な教育をゆきわたらせることの難しさを示すものでしょう。
多くの普通高校では現在、2学年のときから「文科系」か「理科系」へのクラス分けが行われています。語文(中国語)、数学、外国語といった必修科目のほかに、「文科」では政治、地理、歴史を、「理科」では物理、化学、生物の各科目を学びます。こうして、生徒それぞれが専門知識をじっくりと高め、3学年の6月に迎える厳しい大学入試に備えるのです。

北京市内に家族と暮らす趙嘉gさん(15)は、この9月に地元高校の1年生になったばかりのしとやかな女の子。気楽だった中学時代に比べて「カバンが重くなり、宿題も多くなって、睡眠時間が削られます」と小さな悲鳴をあげています。それでも、まじめに勉強をして大学に入り「将来は得意の英語を生かして、外国と関わる仕事がしたい」。

好きな読書をがまんして、毎日深夜までかかるという宿題と格闘しながら、希望を抱いたスクールライフを送っています。

写真: 北京市内の中学・高校。登校時には検温が行われていた。
     
小林さゆり ■小林さゆり

フリーランスライター、翻訳者。長野県生まれ。
2000年9月から5年間、中国国営の『人民中国』雑誌社に日本人文教専家として勤めたのち、フリーランスに。
北京を拠点に、中国の社会や文化、暮らしなどについて、日本の各種メディアに執筆している。

著書に、『物語北京』(中国・五洲伝播出版社)、 訳書に、『これが日本人だ!』(バジリコ)。

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