中国を沸かせた和太鼓の魅力に迫る 東京打撃団 特別インタビュー


今回心連心が注目するのは、創作太鼓の世界で、日本の和太鼓の新たな可能性を追求しているグループ「東京打撃団」。そのメンバーである加藤拓哉さん、露木一博さん、長谷川暢さんが2010年6月7日から10日にかけて、上海万博日本館イベントステージにて公演を行いました。


大成功を収めたこの上海万博ステージについてのご感想をお聞きしながら、和太鼓の知られざる魅力に迫りました!



心連心

上海公演、お疲れ様でした!まず、今回の公演を一つの言葉で表すとすれば、どのように表現できるでしょうか?


加藤

一言で言うならば「熱」ですね。気候的な意味でも上海はとにかく熱かったのですが、僕ら3人の演奏と言う意味でも、それ以上に熱く盛り上がったと思います。


露木

僕は「魂」だと思います。毎回公演を重ねるごとに曲に魂が強く宿っていき、僕らもすごく成長できました。逆に聴いてくださった方々の魂もこちらに伝わってきて、会場全体の一体感をもの凄く感じましたね。中国の人々と気持ちが重なった瞬間でした。


長谷川

僕にとって今回の公演は「出会い」という言葉に尽きますね。今回このメンバーで上海に行けたこと、沢山のアーティストの方と共演できたこと、そしてスタッフの方々や現地の皆さんと一緒になってステージを創り上げることができたこと全てが本当に貴重な出会いでした。また、毎回違う方々の前で公演したので、1回ごとに皆の反応が全然違ったのには驚きました。そのような出会いの連続の中で、僕らも日々それを新鮮に感じ、成長できたことはとても良かったですね。


東京打撃団

※左から露木一博さん、加藤拓哉さん、長谷川暢さん

東京打撃団
東京打撃団
東京打撃団

心連心

今回の上海公演にあたっては、どのような気持ちで臨まれたのでしょうか?何か心がけたことがありましたら教えてください。


露木

そうですね。まずはとにかく中国の方々のパワーに負けないようにと考えました。ただ、そのために何か違うことをするのではなく、いつも通りの僕らを「どうだ!」とそのままアピールすることに徹しました。そして公演を重ねながら、お客さんからのレスポンスに合わせて、少しずつ試行錯誤していきました。とても楽しいプロセスでしたね。


長谷川

僕はとにかく和太鼓のかっこよさ、素晴らしさを、誠意をもって伝えようと心がけていました。


加藤

とにかく1本1本を大切に演奏すること、そして何より”楽しむ”ということですよね。今回の公演では沢山のステージをこなしましたが、会場の熱い熱気も手伝って、毎回新鮮な気持ちで臨むことができました。また、演奏が終わった時の歓声が日本とは違いましたね!皆さん中国語で「好(ハオ)!」と声をかけてくださいました。


心連心

皆さんにとって和太鼓の魅力とはなんでしょうか?


加藤

やはり「響き」だと思います。打楽器として、叩いた時の大きな響きは他の楽器には無いものだと思います。


長谷川

変な表現ですが、演奏していて「疲れる」ということも魅力だと思うんです。体重を乗せて力いっぱい叩くと言う楽器は太鼓の他にないと思いますし、スポーツのような爽快感がありますよね。よく和太鼓の音色を初めて聴いた人から「体中にビリビリ伝わってくる」と言われるのですが、耳だけでなく体全身で感じる楽器というのは珍しいと思います。


露木

打つ人によって全く違う音が出るというのも魅力ですよ。人によって体重のかけ方、バチを打ちおろすスピードがそれぞれ違うので、出てくる音色も変わってくるんです。ですから僕は太鼓奏者として、「太鼓が上手いですね」ではなく「太鼓の音色が好きです」と言っていただけるように日々努力しています。


加藤

同じ人が叩いても、気分が落ち込んでいる時に打つ音と、気分がいい時に打つ音では違いますね。まさにその人の「今」が音になるんですよ。打てば音が出ると言うシンプルな楽器だからこそ、打ち手の感情が如実に音に現れるのです。


心連心

日本の伝統芸能を継承している若い世代の代表として、心連心をご覧の皆さまに何かメッセージをお願いいたします。


長谷川

日本に生まれて、日本の伝統芸能というものに関わっている自分の立場から申しますと、とにかくかっこいいんですよ、日本の伝統文化って。僕は伝統芸能を守りたいというよりも、それが純粋に美しくて楽しくてかっこいいからやっているのです。それは他の一般的な音楽やダンスをやることと何ら変わらないですよね。伝統芸能や伝統文化というと難しいイメージがあるかもしれませんが、実はまだまだ身近にあるものだということを多くの人に気付いて欲しいですね。こんなにかっこいい文化が身近にあることを知らないなんて、もったいないなと思います。


東京打撃団

露木

東京打撃団は創作太鼓といって、伝統芸能から新しいものを生み出しながらオリジナルの楽曲を作曲しているのですが、その過程でクラシカルなフレーズがすごくかっこいいなと思うことが多々あります。やはり美しくてかっこいいものは後世に残っていきますし、僕自身もさらに伝統というものを勉強していきたいと思います。皆さんも、少しでもそれに触れることで自分の宝になると思うし、結果それが国の宝になると思うので、ぜひ興味を持って欲しいと思います。


加藤

これからも創作太鼓の奏者として、伝統芸能にどんな新しいものを創っていけるのか、どんどん挑戦していきたいと思っています。皆さんの前で披露する機会が来ることを楽しみにしています。





■東京打撃団 プロフィール


プロデューサー平沼仁一(1980年『佐渡國 鬼太鼓座』入座。81~91年『鼓童』在籍。)を代表として1995年に結成された和太鼓音楽集団。形式やスタイルにとらわれない新しい感性によって、「太鼓」の持つ可能性を追求し、太鼓アンサンブルの魅力あふれるステージを展開している。



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