あるOLのお話です。深夜残業で自宅のマンションにたどり着いたのはもう1時過ぎでした。
彼女の住むマンションにはエレベーターがあるのですが、その時期は故障中で、彼女が住む5階まで階段で上っていく必要がありました。
仕事疲れもあって、重い足取りで階段を一歩一歩上っていきましたが、ちょうど2階から3階の行く途中の踊り場にたどり着き、身体を反転させるとそこには人がいました。人というより子供です。野球帽を被って半ズボンをはいている7〜8歳くらいの男の子が階段の途中に座っていました。
彼女は思わずびっくりしましたが、「こんばんは」と声をかけました。男の子は無言でジーッと彼女の顔を見つめてきます。
それは数秒間だけだったかもしれませんが、お互い目と目が合ったままの状態が続きました。
彼女は少し気味が悪くなり、男の子の脇をすり抜けるように立ち去ろうとした瞬間、男の子が不意に彼女のスカートの裾をギュッと握りました。彼女は思わず男の子の顔を見ましたが、やはり無表情のままです。
彼女は恐くなり、男の子の手を振り払い、急いで階段を駆け上っていきました。
自分の部屋に戻ってくると、鍵をしっかりとかけました。寝室に入ってもくつろぐ気にもなれず、そのまま着替えて電気を消して床に入りました。その時です。ドアが少し開く音がしました。寝室の入り口付近にある浴室のドアが少し開いていました。
そのすき間からさっきの男の子がじっと彼女の方を見つめていました。
彼女はその後のことは全く覚えていません。起きた時はもう朝でした。男の子も当然いなかったのですが、あれが夢だとは思えませんでした。
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