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| ついに行った |
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1月30日から2月2日まで、台北へ行ってきた。台湾へ行くようになって25年、やっと実現した旅行だった。何度も行っているくせに、どうしたんだと言われるかもしれない。 一度は行ってみたい場所はどなたにもあると思うが、それと同じように、一度は行ってみたい季節というのもあるのではないだろうか。月並みだが、花の吉野山、紅葉の高雄とかが、すぐ思いつく。 私はと言うと、ぜひ行ってみたい季節は、師走の台湾で、長年の夢だった。できれば台南、それが無理なら、台北の萬華や廸化街へ行きたかった。今度の旅行は仕事があっての出張だったので、新幹線で台南へ行くのは無理だったが、帰国する日の朝、廸化街へ行くことができた。2月2日、農暦では臘月望日だ。農暦の師走はだいたいは1月後半に来るから、仕事の関係でなかなか時間が取れない。今年は春節の来るのが遅かったので、予定を入れることができた。 台南は台湾の京都と言われる古都で、ご存知の方も多いだろう。廸化街の方はどうだろうか? 最近では、日本で発行されているガイドブックならどれにも載っていて、すっかり有名になったが、台北駅の西北西、歩いて10分ほどのところにある。この通りには、食料品、とくに乾物を中心にした古い商店街が長く続いている。アメ横を思い出していただいたらいいだろう。いや、1920年代、30年代の洋風建築が並ぶ廸化街の方が、アメ横より古いのではないか。 さっきも書いたように、行ったのは農暦12月15日、知らなかったが、廸化街で迎春の大売出しがはじまる日で、午後や夕方にはイベントが予定されていた。左上の写真は廸化街の舞台で、あちこちにブタ君が見える。イベント会場として、ホテルのすぐ近くの台北駅地下街の名前もあった。出発があと1日遅かったら堪能できたのが、心残りだった。 マスコミも放ってはおかない。日本のテレビの年末番組で、アメ横風景がおなじみなのと同じことだ。取材しているクルーを取材してみたのが、左下の写真。台北市衛生局のジャンパーが見えるから、これも年末おなじみの、迎春食品の衛生検査の取材かもしれない。 なぜ師走の廸化街か。 台北市民が廸化街に来るのは、「年貨」と呼ばれるお正月用の食料品を買うためだが、私はと言えば、この連載を読んでくださっている方なら、とうぜんおわかりだろう。もちろん紙集めのためだ。師走の台湾へ行きたかった理由は、ひとえに紙、とくに門神がたくさんほしかったからだ。言葉より、下の特売場の写真を見ていただきたい。この豪華さ、紅色と金色、なんともめでたい風景ではないか。 正直に書こう。私がほしいのは、木版画や印刷でも伝統的な図柄の門神だ。しかし、ここで売られているのは、そんなものではないのは、写真を見ていただいたらおわかりいただけるだろう。こうしたお正月用品の新傾向については、次回に続く。 森田憲司 一九五〇年、大阪生まれ。 現在、奈良大学史学科教授。 中国近世の社会・文化を専攻する。趣味は、書物・地図をはじめとする中国にかかわるもろもろの収集。 |