震災レポート
国際交流基金北京事務所では、日中交流に積極的な意欲を持つ中国各地の日
本人留学生をメンバーとする『留華ネット』という集まりを立ち上げ、その活
動をサポートしています。『留華ネット』は、日中の若者が様々な交流や情報の
共有を通じて、未来に繋がるネットワークを構築していくことを目指していま
す。2008年5月現在、メンバーは北京、上海、天津、瀋陽、長沙、大連、成都、昆明、広州、西安、南京に在住しています。
その中の一人、成都に在住しているメンバーより、5月12日に発生した大地震について、現地からのレポートを頂きました。現地の様子が皆様に伝わればと思い、掲載いたします。
5月12日 地震発生当日 成都
14時28分、地震だなという認識程度のゆれから段々と強くなり、本棚から本や小物が次々に落ちていった。2分半と地震が長かったため、建物から外に逃げる人が多かった。地震後、学校側から建物の検査をするため中に入らないようにと通達があり、留学生は外の空き地に避難をした。夜はそのまま野宿。雨が降るとの情報が夜中12時頃入り、一階ロビーに場所を移して睡眠をとった。留学生寮では地震直後から、ガス、水、電気、インターネットなど普段どおりに使えたので、成都での被害はそこまで大きくないと感じた。
5月13日 地震発生から1日目 成都
朝から雨、薄暗く町全体が沈んで見える。これからどうなるのか不安がつのる。万一の事を考え、買出しに行くものの、開いているお店はほとんどない。人の姿もまばら。そんな中、献血をしている人の行列を2箇所で目撃した。数少ない開いているスーパーでは、食べ物や水を買う人が多かった。学校に帰ると、グラウンドや空き地で傘をさして避難している人を多く見た。夜、雨がまだ降り続いていたので、部屋の中に入って寝る人が多くなったものの、まだ自主的に一階ロビーで寝ている人もいた。夜中4時ごろ大きな余震があり目が覚める。外を見たら大勢の人がすでに避難していた。皆地震に対して敏感になっていると感じた。
5月14日 地震発生から2日目 成都
前日とはうってかわり快晴。成都の人の表情も、大分明るさを取り戻していた。テントを片付けている様子を多く見た。お昼あたりから、水道水が汚染されているとの情報を人づてに聞き、不安になったので水の買出しに行く。スーパーや小物売り店では水の売り切れが多かったものの、物価の値上がりは見られなかった。夜には、水質汚染がただのデマだったとテレビやラジオ、携帯のショートメールから知ることができた。
5月15日 地震発生から3日目 都江堰
日本の取材陣と被災地都江堰に行く。普段成都から車で一時間かからない場所が、通行止めの道があったり渋滞したため、都江堰の市内地に入るまで2時間ほどかかった。近づくにつれて建物の損傷がひどくなり、成都とはまるで違う様子に言葉を失う。個人のボランティアで食べ物を持ってきて、被災された人に配っている様子を沢山見た。食べ物は思っていたよりも不足していないように感じたが、市内から少し離れたところでは、まだ食べ物がもらえていない人もいた。
5月16日 地震発生から4日目 都江堰
場所によっては、少しづつ異臭を感じるようになった。疫病に備え、薬をまいている様子を街で何度か目撃した。町の人々は自分でテントを作ったり、家財道具を外に持ち出したり、人によっては自分達で火をおこして、ご飯を作っていたり、たくましく生きているなと感じることができた。ただこれから怖いのは、感染症やがけ崩れなどの二次災害だと思う。被災された人たちの精神的なケアも必要だろう。まだ被害が一番大きい場所には、入れないと、テレビを見た人から聞いた。今後、被害の状況が明らかになれば、まだまだ必要なものが出てくるだろう。 |