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生まれ育った街自由が丘で、幸寿朗は人生の岐路に立つ |
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毎日カフェで一生懸命に働きながらも、彼の心は将来の夢と現実の間でぐらぐらと揺れている。はっきりしているのは、「自分を表現できる仕事にかかわりたい」という気持ち。でもその手段がまだわからない。 彼は、今年の4月に大学を自主退学した。専攻は経済学だった。 「自分でもそんなに深く考えてなかったんです。父の勧めに従って入った大学だったけど、実は何かを勉強するのは大学だけじゃないかもしれないと思ってました。」 そう思っていたときに、父親の経営する会社の問題が重なり、退学することを決めたという。 同じく経済学を学んでいた兄との事情も関係しているようだ。 「ルックスも、性格も、成績も全部が逆(笑)。優秀!」 そんな兄とはほとんど会話をしていないと笑いながら彼は話した。 そのかわり、彼は母親の話にまっすぐに耳を傾ける。いまどきの若者としては珍しく、驚くほど母親と仲が良いのだ。二人で夜中まで話しこんでしまうことも多い。 「自分が本当は何をしたいのか」 悩みを打明けた彼に、母親が教えてくれたのは、「自分は自分、人は人、あなたらしく」という言葉だった。 いままで実家で自由に生きてきた彼にとって、人生で最初の岐路に違いない。 彼は自分の進むべき道を自身で考え始めたのだ。 |
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いま、彼は美術系の専門学校に行くことを視野に入れている。 「子どもの頃から、絵を描くのが得意だったから。」 高校時代に美術の先生にほめられた経験が、いまでも彼の中にある。バイト先のカフェでもよくペンを片手に絵を描いている。「みんな喜んでくれるから」と。 |
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道を歩いていると、彼は母親のお気に入りの菓子が売られているのを見つけた。 「あ、これ、買って帰ろ!好きなんスよ、これ!」 そう、彼は本当に人が喜ぶ顔を見るのが好きなのだ。そして彼自身の屈託のない笑顔からも、その人を大切にしている想いが伝わってくる。 この笑顔があれば、今までも、そしてこれからも人々から多くのことを学ぶことができる。そのことを彼はちゃんと知っているに違いない。 このコーナーでは東京近郊に生きる若者を通して日本を紹介していきます。 次回も、お楽しみに。
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