将来を見据え、武蔵小山で過ごす七海の高校生活


松原 七海 -Nanami Matsubara- (16) 東京都出身 高校2年生


「寒くなってきたので猫が布団に入ってくるのが嬉しいです(*´∀`*)」
最近一番嬉しかったことは何かと聞くと、七海ちゃんはメールでこう返してくれた。
その返答も顔文字も、肩の力が抜けていてとても彼女らしい。
ムリせず、苦手なものは苦手と言える正直な女の子、それが七海ちゃんだ。


彼女には仲の良い友達が5〜6人いて普段はカフェで話をしたり、カラオケに行ったり、お菓子を買って公園に行ったりするという。
中でも今一番楽しいのは、友達と一緒にバスケ部の練習を見に行くこと。憧れの先輩でもいるのだろうか。


七海ちゃんは高校生活を、都心からみると南西にある、私鉄沿線の武蔵小山で送っている。彼女の学校は現在の首相や多くの文化人の出身校だ。
武蔵小山の駅付近には「林試の森公園」という大きな公園や、都内で一番長い800mの商店街があり、庶民的で住み心地のよい街として人気がある。
商店街には人が多いが一本裏道に入れば静かで、自分の歩く足音がよく聞こえる。都心にはない感覚だ。家族やお年寄りをよく見かけ、子供たちが安心してのびのびと遊んでいるような印象を受けた。
子供の頃公園でよく遊ぶ子だったと言う七海ちゃんは、そんな武蔵小山に親近感を持っている。


 

撮影の待ち合わせ場所に七海ちゃんはお母さんと一緒に来た。
耳にはピアス、軽くメイクをしている。とてもなじんでいて上手だ。聞くといつも少しだけメイクするのだそうだ。最近では決してめずらしいことではないだろう。


七海ちゃんのお母さんはと言えば、とても若く、並んで歩く2人はまるで姉妹のようだ。仲が良いそうで服をシェアすることもあると言う。
七海ちゃんにとって、お母さんはどんな存在なのだろうか?
「ママは友達のお母さんとは、ちょっと感じが違います」
どういうことかと聞いてみると、
「ママがゲームをするって言ったら、友達にビックリされました。普通お母さんはゲームしないって、わたし知らなかった!」
世代的にみると決してめずらしい事ではなくそういうお母さんもいるだろうが、七海ちゃんは友達の話を聞いてビックリしたようだ。
洋服も同じものを着れるし、感覚が近いからこそ分かり合えることも多いだろう。


お母さんが見守る中、撮影はスタートした。
初めての撮影に心配そうな七海ちゃんは、お母さんに側にいて欲しくて仕方がない様子だ。だが途中でお母さんは「大丈夫、大丈夫!じゃあねぇ〜」と明るく帰られ、残された彼女は自分のことを「ヘタレなんで」と、困ったように笑った。



そんな彼女だから、渋谷に一人で買い物に行く時は大変だ。
ウォークマンをし「BUMP OF CHICKEN」や「RADWIMPS」などを聞きながら、ただただ前だけを見つめて歩くと言う。道でも店でも、話しかけられるのがこわいため周りをシャットダウンするのだそうだ。
「冒険したくないです。コワイです」と、首を横にふる七海ちゃん。
安定を求める彼女は、堅実に生きたいと言う。そして将来は、薬剤師になりたいそうだ。
「科学が好きです。数学も。答えが一つだから迷わないでいいので」
自分でも怖がりだと言う彼女の声が、突然しっかりとした口調になった。
「勉強している時は強気です。どんどん解きます」
実は撮影の次の日は試験の日だったのだが、「普段からある程度勉強しているから少しは大丈夫」と言って特に焦っている様子を見せなかった。


部活もアルバイトもしていないという彼女は今、一生懸命勉強しているのだ。
薬剤師になるには国家試験に通らなければならない。将来に対する実感がでてきている彼女は、今勉強しておく事が大切だと思っている。



いまできることに精一杯取り組めるということは、いま自分にできることと、できないことを自分自身で分かっているからこそだろう。
彼女は自分の事を「こわがりだ」と、あまり良いことではないかのように言ったが、自分の弱いところを認め、人に言える彼女は、本当はとても強いのだ。


お昼時、子供からお年寄りまでが天気のよい日曜日を楽しんでいる。
その中を通り抜け、帰って行く彼女の足取りはしっかりとしていた。





このコーナーでは東京近郊に生きる若者を通して日本を紹介していきます。


次回も、お楽しみに。




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