慣れ親しんだ横浜、4月から健太は社会人になる


小山 健太 -Kenta Koyama- (18) 神奈川県出身


今年の春に高校を卒業したばかりの健太。
3年間彼が夢中だったのは、高校野球。
何度も甲子園に出場し、多くのプロ野球選手も輩出している健太の母校には、現在約120名の野球部員がいる。
6:50から始まる朝練に行くため、健太は毎朝5:00に起き、自宅から1時間半かけて登校した。放課後は夜20:00まで練習をし、土日にも休みはなかったと言う。
「野球、やりたいです。高校野球。もう一回」
その日、卒業したばかりの高校を訪れた健太は、後輩たちの練習する姿を眺めながらそう言った。


健太の通った学校は横浜駅から南に3km程の住宅街にある。
彼は歩き慣れた足取りで通学路を案内してくれた。途中通りかかった小学校でも、小学生たちが野球の練習をしているのを見かけた。土曜日だというのに熱心だ。
今回は、健太が慣れ親しんだ横浜で撮影をした。


 

朝、鞄を持たず手ぶらでやってきた健太の左手首には新しい時計が光っている。バーバリーの腕時計だ。両親からの就職祝いの贈りものだそうだ。
健太は4月から社会人になる。
大手鉄道会社で数年間の経験を積み、ゆくゆくは運転士になることが決まっている。
今はまだ卒業式を終えたばかりだからか、まだあまり実感がわいていないようだ。


友達のほとんどが大学や専門学校へ進学するという中で、彼は進学せず就職することを決めた。
進路について考えていた当初は、父親が洋食のレストランで店長をやっていることもあり、料理学校へ進学したい気持ちもあったという。
一方で、健太のめざす就職先は人気の職種。初任給の額も申し分ない。
料理の道か、鉄道会社の運転士になるか。健太は迷った。



4人兄弟の健太には、安定よりも自分の好きな道を進む兄と姉、そして高校生の弟がいる。
彼の両親は自分の好きなようにしなさいというスタイルだ。だが先生のアドバイスもあり、就職することを健太は決めた。
健太が1人部屋をもったのは高校生になってからだという。家族と一緒にリビングで過ごす時間が多かった彼にとって、家族のことを第一に考えるのは自然なことだろうし、両親に楽させてあげたいと思ったのかもしれない。



昨年の秋には就職が決まっていたと言う健太。競争率の高い職業に就けることができたのは、おそらく無遅刻無欠席だと彼は言う。
「皆勤賞として、学校から5千円分の図書券もらっちゃいました」
なんと彼は高校だけでなく、中学生の頃から6年間、一度も学校を休んでいない。
「健太は兄弟の中でも一番、ものごとをやり抜くタイプなんですよね」と、撮影に顔を出した姉は彼について話す。


その姉の影響で子供の頃から始めたピアノを健太は今でも続けている。野球部を引退し、就職先も決まり、初めてのんびりとした時間を過ごしている彼は今、Jポップの曲を練習中だ。
「すげーいい曲なんですよ!メロディがいい!」
ギターにも挑戦してみたいという。友達が弾いているのを見て、興味がわいたのだ。
この間は友達の部屋で仲間6人が集まり、焼き肉パーティをしたことも楽しかったと話す。
「このまま今みたいに自由な生活が続けばいいのにな」
と、笑う健太。
でも春からは社会人だ。
きっとまた野球部で頑張っていた時のように、一生懸命仕事に取り組むのだろう。








このコーナーでは東京近郊に生きる若者を通して日本を紹介していきます。


次回も、お楽しみに。




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